(この質問をした理由)
市長は施政方針において、宍道湖・中海圏域の市長会に加入し、観光、産業及び環境分野を柱とした地域の発展に努めるとともに、環日本海交流の玄関として連携・発信を行うと表明した。私としては、歓迎すべきものであり、山陰の中核都市と連携し、出雲市が益々発展することを願っている。そこで市長の意気込みや考えについて質問をした。
(質問)市長会の立ち上げの時期はいつか、市から何人の職員を派遣する予定か。
(市長答弁)3月29日に市長会の総会を開催し、4月1日に発足する。市長会の事務局はH24年度は現在の中海市長会の組織体制を引き継ぐ。米子市と松江市から職員を1名ずつ派遣する。
(質問)経済成長著しい対岸諸国の活気、熱気、エネルギーを宍道湖・中海圏域に取り入れ、この圏域を活性化する方策について市長の考えを伺う。
(市長答弁)新しい市長会の5市が連携を強化することによって、大きな枠組みでの情報発信が可能になる。具体的には、
・北東アジアとの新たなビジネスチャンスを求める圏域内企業をサポートするため、商談会などの経済交流イベントへの参加を支援するとともに、販路開拓のための市場調査への支援を検討している。
・「神話博しまね」や「マンガサミット」とのタイアップ、地域資源を活用した旅行商品の開発、圏域を紹介する外国語パンフレットの作成により、北東アジアからの観光誘客にも積極的に取り組む。
・鳥取県が設置した「ロシアビジネスサポートセンター」を活用し、圏域内の各企業に、ロシアの情勢やニーズ相談、翻訳・通訳・輸出手続きの支援を提供していきたい。
・出雲市独自の事業として、上海市や浦項市との相互交流を通じ、現地企業と連携した貿易観光事業を推進しているが、23年度には既に、上海市からの「島根縁結びの旅モニターツアー」、韓国からの「北山トレッキングツアー」、「くにびきマラソン参加ツアー」などの観光インバウント事業を実施したところである。
・貿易では、海外取引実績のある企業と連携し、特産品の「富有柿」について、香港、シンガポール市場への売込みを行った。
このような貿易・観光事業について、継続実施の上、更なる事業拡大を図って行きたい。現在のところ、貿易等に関する関係団体による推進組織は設けていないが、今後、企業、商工団体、JA、行政が連携した組織による取り組みも検討してまいりたい。
(質問)神話博などの大規模イベントを契機に、対岸諸国をはじめとするアジアからの観光客が増えると予想される。それに対しては市職員のおもてなしの心が一層求められると考える。人材育成の一環として、語学を始め、国際理解を深めるため、出雲市あるいは圏域4市の国際交流員による環日本海地域の語学(中国語、韓国語、ロシア語)を学ぶ講座を開設する考えがあるか。
(市長答弁)これまでインバウンド対策(日本へ来る観光客対策)として、国際理解に富んだ人材育成は欠かせないと考え、観光関係業者を対象とした英語、中国語、韓国語の語学研修を開催してきた。
外国人観光客に対するおもてなしの一環として、最低限の外国語を話すことができるような職員研修を実施する趣旨であれば、語学指導に国際交流員を活用することは十分に考えられる。今後、市長会へ提案し、共同事業の一環として実施することも検討して参りたい。
(市長答弁に対する私の意見)
新しい市長会の5市が連携を強化することによって、大きな枠組みでの情報発信の内容が具体的に定められており、また、国際交流員を活用した語学研修など国際理解に向けての事業についても市長会へ提案し、実施に向けて検討する姿勢を示している。今後の山陰中央都市圏全体の発展について、対岸諸国との交流も視野に入れて捉えられており、私が従来から抱いていた考えと同じであり、納得のいく答弁であった。
(この質問をした理由)
いよいよ具体的に動き出す大規模プロジェクトであり、出雲圏域の活性化と雇用の場の提供のため、早期の完成が待たれる。斐川中央工業団地の速やかな造成の完了、そして分譲の開始には文化財調査、下水道や工業用水道の整備などが必要であるが、その中でも特に急がれる西工区での埋蔵文化財調査について、市の実施体制を6点にわたって質問をした。
(質問)西工区の文化財調査要員について、4月に専門職員を1名採用し正規職員5名体制で臨むとの説明を受けているが、何班体制で行うか。1班の人数はいくらか
(文化環境部長答弁)約700ヘクタールと広大であるため、15人編成の班4班で調査を行うこととしている。
(質問)試掘・確認調査及び本調査の期間はいつまでか
(文化環境部長答弁)本調査の前段の調査である試掘・確認調査は今年度早々に着手し、今年の秋口には本調査に移行し、26年10月の分譲開始までに調査を終える予定にしている。
(質問)埋蔵文化財発掘調査の経験のある職員は出雲市全体で何人おり、これらの職員の活用についてどのように考えているのか
(文化環境部長答弁)発掘調査の経験のある職員は14人おり、これらの職員を最大限に活用することとし、なお不足する職員1人を4月1日付けで採用することとした。
(質問)埋蔵文化財発掘調査の中の測量、表土掘削、重機や作業員の手配、作業員の労務管理事務について、民間企業を活用することについてどのように考えているのか
(文化環境部長答弁)土木業務や測量業務などの埋蔵文化財発掘調査支援業務には、現在登録されている15の民間事業者の活用を考えている。
(質問)民間委託する際の設計積算業務に、土木部サイドの技師の応援が不可欠であるが、市の中での協力体制は進んでいるのか
(文化環境部長答弁)委託の際の設計積算について都市建設部に依頼するなど関係課と連携を密にして進める。
(答弁に対する私の意見)
西工区での埋蔵文化財調査について、市の関係部局が一体となって速やかに達成しようという市当局の意図が感じられた答弁であった。出雲圏域の活性化と雇用の場の提供のため、順調に調査が進められ、H26年10月の完成と分譲開始を期待している。
(この質問をした理由)
介護保険料の額(基準月額)が、斐川地域では激変緩和措置が適用されなくなり、3,500円→5,420円(54,8%増)へと急激に引き上げられる(斐川地域以外では4,450円→5,420円(21,7%)。その積算根拠を市民・住民に説明し理解を求める必要があると考え、議会の場で質問をした。
(質問)介護保険料の額(基準月額5,420円)の積算根拠について伺う。
(健康福祉部長答弁)
(1)平成24年度から26年度までの第5期介護保険事業計画での介護費用の増加要因
・65歳以上の高齢者数:平成23年度から6%増加し、約4万8千人
・高齢化率:平成23年度の26.4%から26年度には28.3%と1.9%の増
・要介護・要支援認定者数:平成23年度の8,592人から7.8%増加し、9,267人となる。
・第4期(平成21年度~23年度)における特別養護老人ホームの118床の増床
・第5期における施設整備率の低い地域への特別養護老人ホーム、老人保健施設、グループホームの整備
(2)介護費用の増加額
(第4期) (増加額) (第5期の費用総額)
399億3千7百万円 + 58億3千万円 → 457億7千万円
第5期費用総額の50%を公費(国・県・市)で賄う。残りの50%を40歳以上の市民が負担する。
(3) 急激な保険料の上昇を緩和するための措置
介護給付費準備基金から4億円を取り崩し、第5期の費用総額に充て、保険料負担を軽減する。
(4) 以上(1)から(3)の理由から、基準月額5,420円とした。なお、低所得者に対しては、0.05引き下げ、月額を定めることとした。
(質問)急激な負担増という感覚を抱いている市民や住民が多い。ついては説明会のスケジュールと求めがあれば臨機応変に説明に出向く心構えが必要と考えるが、この点についての考えを伺う。
(健康福祉部長答弁)
3月14日から26日まで、10日会場(斐川地域は小学校区の4会場)で行う。その外に、老人会などからの要望があれば、説明に出向きたい。
(答弁に対する私の意見)
特に斐川地域においては、4月から合併協定による激変緩和措置がなくなり65歳以上の被保険者の保険料が急激に引き上げられる。介護費用増加要因について理解もできる。
一方、上昇を緩和するために4億円を基金から取り崩す努力もされている。
出雲市全体で同じサービスを受けるのに、引き続き斐川地域のみ低い保険料というのもバランス上問題である。施設整備率の低い斐川地域へ特別養護老人ホーム、老人保健施設、グループホームの整備や増床を優先的に実施するなどの努力も見られ、保険料の引き上げもやむを得ないと考える。
(この質問をした理由)
幼児通級指導教室は発達障がい児の指導に重要な役割を果たしている。中部小学校の通級指導教室の幼児担当指導者の指導時間数が新年度から縮小されるとのことであるが、全般的に支援が必要な幼児が増加傾向にある中で、縮小はいかがなものかと考え、市教育委員会の考えを伺った。
(質問)市内の通級指導教室の開設状況、職員体制、幼児数について伺う。
(教育部長答弁)
(1) 開設状況
・今市幼稚園:幼児専門の通級指導教室の拠点。
・その外に、神西小、平田小、大社小、中部小で開設
(2) 職員体制
・今市幼稚園:3名(幼稚園教諭2、臨時雇用教育相談員1)
・神西小、平田小:3名(小学校教諭2、臨時雇用幼児通級指導ヘルパー1)
・大社小:4名(小学校教諭1、臨時雇用小学校担当通級指導ヘルパー1、通級指導助手1名、幼児通級指導ヘルパー1名)
・中部小:4名(小学校教諭3、臨時雇用幼児通級指導ヘルパー1名)
(3) 幼児数
・今市幼稚園:46人 ・神西小:7人 ・平田小:8人
・大社小:12人 ・中部小:20人
(質問)斐川町中部小学校の通級指導教室の幼児担当指導者の指導時間数が新年度から縮小されると聞いているが、5歳児健診が実施されることにより指導を受ける子供が増えであろうこの時期に縮小はいかがなものかと考えるが、これについて伺う。
(教育部長答弁)
市内の同一職種で勤務条件が異なるのは好ましくないため、合併協議の中で1日8時間勤務から1日4時間勤務に変更した。24年度から教諭3名と4時間勤務の幼児通級指導ヘルパー1名体制で対応することにした。ただ、今後の状況により、幼児通級指導ヘルパーの増員など柔軟に対応していきたいと考えている。
(質問)幼児通級指導教室の今後の充実について伺う。
(教育部長答弁)
24年度から開始する幼稚園児発達相談モデル事業は、市立幼稚園2園を対象とする。
この事業を実施することにより、通級指導が必要な幼児が大きく増加することは考えにくいが、全般に支援が必要な幼児が増加傾向にあることから必要に応じた体制の整備に努めて行きたい。
(答弁に対する私の意見)
中部小学校の通級指導教室の幼児担当指導者の指導時間数が新年度から縮小されることについて、全般的に支援が必要な幼児が増加傾向にある中で、縮小は逆行であると考える。「今後の状況により、幼児通級指導ヘルパーの増員など柔軟に対応していきたい」あるいは「全般に支援が必要な幼児が増加傾向にあることから必要に応じた体制の整備に努めて行きたい」との答弁もあり、今後を注視していきたい。