25年9月議会だより

9月議会での一般質問要旨

大きく3つの分野について質問をしました。その概要を記載いたします。

交流人口の拡大策について

質問

出雲の魅力を、日本全国および海外へ向けて発信し、今後の交流人口

の拡大を目指すべきと考えるが、これについて問う。

答弁(長岡市長)

出雲大社の大遷宮を契機に、出雲が広く認知されてきた。出雲の素晴らしさを前面に出し、引き続き情報発信していきたい。

質問

環日本海地域からの本格的な観光客の誘致を目指すならば、現地、例えば大連市に事務所を構えてPRをする覚悟が必要であるが、考えを伺う。

答弁(長岡市長)

大連は特に日本への訪問の関心の高いところで、今後の交流が大いに期待できる。現地に駐在を置くことについて必要であれば考える。

コメント:会派(政雲クラブ)で海外からの観光客を呼ぶために、大連市へ調査に赴きました。大連市には親日的で日本語を話す人材も多く富裕層も多い。また、山陰合銀やJETROの事務所も置かれ日本との経済交流の拠点でもある。長岡市長はインバウンド事業(海外からの観光客の誘致)を進めており、大連との今後の交流にも期待を寄せておられることが明らかになった。議会の一議員として、実現のために尽力したいと考えます。

山陰合銀大連事務所長室にて

山陰合銀大連事務所長室にて、植田武司所長(斐川町坂田出身)とともに


一人暮らし高齢者の安全・安心について

質問

①一人暮らし高齢者の数

②「災害時要支援者ネットワーク事業」への登録者の数

③登録されていない高齢者や自治会未加入者に対する日頃の安全・安心の確保策

④個人情報保護法上、地域において個々の情報共有には限界がある中で、関

係者とのネットワークの強化策

⑤今後一人暮らし高齢者が多くなると見込まれるが、市としての安全・安心の確保策

⑥出雲市において高齢者の孤立死・孤独死の事例はあるか

答弁(佐藤健康福祉部長)

①   :今年の3月末で6,807人(75歳以上は4,751人)

②   :今年の7月末で2,529人(一人暮らし高齢者は1,056人) 斐川、多伎地域で登録者が多い。

③   :民生・児童委員協議会の「災害時ひとりも見逃さない運動」を通して、支援が必要な高齢者の把握及び拡大に努めている。

日常の見守りについては、住民の皆さんによる「声掛けやさりげない見守り」、民生委員や福祉員などによる見守り、新聞販売店など民間事業者の方々と協力した見守りなどがなされている。

消防では、消防職員・団員による計画的な「一般家庭防火診断」などの予防活動により、災害時の対応を知らせている。

④   :地区社会福祉協議会、コミセン、老人会などの連携協力により取り組まれており、今後とも地域福祉活動が継続・発展していくよう支援する。

⑤   :市内部の関係部局と社会福祉協議会とで「災害時要支援者ネットワーク事業検討会」をH24年11月に立ち上げ、要支援者の把握や一元的な情報管理について検討中である。

⑥   :「誰にも看取られることなく息を引き取り、その後長期間放置されるような悲惨な孤立死」は、出雲市では近年はない。

コメント:一人暮らし高齢者について、孤独死・孤立死の悲惨な報道がなされる度に「現代社会では何かが不足している」と感じていました。市行政も社会福祉協議会や地域の団体とタイアップし、日常のさりげない声掛けや地域での輪の広がりを推進しており、今後もこの状況を続けなければならない。

なお、最新情報として、災害時における要支援者をあらかじめ把握するため、高齢者や障がい者の情報を集約し、地図に記載するシステムを構築する経費5百万円が12月議会に提出されたことをお知らせいたします。

 「出東コミセン喫茶」

地域の高齢者の方々が集う斐川町の「出東コミセン喫茶」にて

 


拠点校への学校司書の配置について

(経過)学校図書館へ学校司書を配置し、学校図書館を充実すべきである旨の質問は昨年の9月議会においても質問をしました。合併前の斐川町には司書資格のある学校司書が配置されていました。合併後は、出雲市ルールの「読書ヘルパー」に代わり、勤務時間数も大幅に削減され、学校図書館を閉ざす時間も多くなりました、

児童・生徒の人格形成や「生きる力」を育むため、読書は不可欠であり、そのために、学校図書館の充実が不可欠です。「学校図書館を考える会」の皆さん方を中心に検討がなされ、私も議員の立場で支援してきました。

8月22日に「学校図書館を考える会出雲」から市内の小中学校に拠点校を定め、専門職である学校司書を配置することを求める請願が出されました。この請願は、市の財政事情にも配慮した堅実な請願であり、これを支援するため、今回再度質問をしたところであります。

答弁(槙野教育長)

学校図書館あるいは読書の重要性については非常に大切なことであると考えており、学校司書を拠点校に配置し、学校図書館を充実させたい。いろいろなシミュレーションをしながら検討し、教育委員会としての方向性を出していきたい。

*なお、「出雲市の小中学校に拠点校を定め学校司書を配置することの請願」は最終日の本会議において議員全員の賛成で採択されました。

 坂根議長に請願書

坂根議長に請願書を手渡す山本恵美子代表

 


動き出す国・県事業

各種の国・県事業が具体的に動き始めました。どの事業も関係地域の皆さん方の長い間の要望の賜物であります。関係地域の土木委員さんや住民の方へ説明会が実施されますが、順調に事業が運ぶことを期待いたしております。

1 一般県道 斐川上島線 道路事業(出雲県土整備事務所説明)

  • 9月18日斐川の誘致企業4社から知事要望 →知事:「調査する」旨回答。
  • H25年度予算:道路、トンネルについて「予備設計費」がついている。今年度中にトンネル(上阿宮~斐川インター付近)について現地調査をし、計画を立てるため、これから発注する。
  • H26年度から地元説明を行いながら詳細設計に入る。
  • 完成までには2~3年はかかるであろう。

県道斐川上島線の工事個所(上阿宮地区)

県道斐川上島線の工事個所、この先でトンネル工事が予定(上阿宮地区)


2 出西地区河川改修事業(国土交通省出雲河川事務所及び出雲県土整備事務所説明)

  • H25年度から、用地買収済み地域の堤防嵩上げ(最大2メートル)と後背地の盛土を行う。その後、順次改修を行う予定
  • 併せて堤防上の県道の拡幅(2車線化)も実施する。

3 国営農業用水再編対策事業「斐伊川沿岸地区」(農水省斐伊川沿岸農業水利事業所説明)

  • 総事業費198億円。
  • 費用負担割合:国2/3、県25%、地元8.4%
  • 事業工期:H17年度~H27年度。概ね計画通り進んでいる。(進捗率H24年度末80.2% H25年度末89%)
  • 今後の主要工事

〇右岸頭首工取水口改修(H25年度~H26年度)

〇新設パイプライン(2路線):H24年度~H26年夏まで。

下流へ届く時間を短縮するため。

(内訳)

右岸導水路(求院にある右岸高瀬揚水機場から馬の背調整池まで)

右岸排水路(馬の背調整池から西代橋東で既設用水路に接続する地点)

〇ため池(馬の背調整池)改修(H25年度~H26年12月)

堤防を10メートル嵩上げし、貯水水量を5万トン→10万トンとする。

〇水管理施設(H25年度~H26年度)

中央管理所を支所に置き、左岸右岸の水量を集中管理する。

〇H27年度は機能を確認する。

4 五右衛門川(十四間川)左岸築堤(補強)工事(出雲県土整備事務所説明)

  • 黒目松江分自治会側の堤防1250mについて嵩上げと堤防幅を広くすることによる漏水対策を実施する。
  • H25年11月中旬以降、十四間川で2か所試験盛土を行い、安全性を確認のうえ、H26年度以降に盛土工事を実施する。

枝葉リサイクルセンターのその後

①   今までの経緯

枝葉リサイクルセンターについては、H13年11月に斐川町直江と神氷との境に設置され、町内の伐採木や剪定枝が運び込まれていたが、H24年3月に休止となり、斐川町内から出た伐採木等はより遠い出雲市芦渡町のエネルギーセンターまで搬送しなければならず、不便を訴える声がありました。

H24年6月議会で質問したところ早急に検討したい旨の答弁でした

② 市の回答(浅津環境調整監)

  • 枝葉リサイクルセンターについては休止する。これに替わるものとして、やや遠くなるが、上島町(阿宮の対岸)にある出雲地区森林組合が設置するチップ生産工場を利用していただきたい。

(理由)・新たに計量器を設置するには経費がかかる。

  • シルバー人材センターから受付職員を派遣できない。
  • チップ生産工場の場所:出雲市上島町(上津小学校の西、斐伊川堤防の下)受入時間:平日の9時~16時。1トン当たり500円

*現在ある枝葉リサイクルセンターは、木質チップ(堆肥化されたもの。3年分ある。)を処分するまでそのままにし、その後建物・機械を処分する。

 出雲地区森林組合

出雲地区森林組合のチップ生産工場

 


行財政改革特別委員会報告(1)

~203の公共施設の見直し~

①見直し検討施設:庁舎、学校、コミセンを除く203の公共施設です。これらの施設は合併前に各市町で建設されたものがほとんどです。なお、斐川町内にある見直し検討施設は、29施設です。

②H23年度の維持管理費の支出額の合計額は44億5千万円で、この額から 施設利用者が支払う利用料等を差し引いた147千万円が市の負担額になっていなす。

③見直しには総論賛成、各論反対になりがちですが、市の現在及び将来の財政

負担を考えると待ったなしの決断が求められています。

④執行部とは別に、議会においても独自の立場で検討し、結論を出すこととしています。存続、廃止、指定管理者の管

⑤理、民間や地域への移譲、類似施設の統合などの検討がこれからなされますが、住民生活と密接するものもあり、慎重に考え、自分の考えをまとめていきたいと思います。・

見直しを検討される施設は下記の施設です。*斐川町内の施設は( )内の施設です。

(1)   市民会館・市民ホール8(2:斐川文化会館、アクティーひかわ)

(2)   集会施設11(0)

(3)   図書館7(1:ひかわ図書館)

(4)   博物館2(1:荒神谷博物館)

(5)   郷土資料館5(1:直江一式飾り館)

(6)   体験学習施設3(1:斐川環境学習センター)

(7) 体育館14(3:斐川第1体育館、斐川第2体育館、アクティーひかわ体育館)

(8)  プール2(0)

(9)  サッカー場3(0)

(10)野球場7(1:斐川公園野球場)

(11)テニス場9(1:斐川公園テニス場)

(12)その他スポーツ施設13(2:北神立河川敷公園、空港地区農村公園)

(13)キャンプ場5(0)

(14)観光公園3(1:出雲いりすの丘公園)

(15)温浴保養施設11(2:ひかわ美人の湯、社会福祉センター四季荘)

(16)観光関連施設6(1:道の駅湯の川)

(17)労働会館・勤労会館4(1:斐川農村ふれあいセンター(農村婦人の家))

(18)農産物販売施設3(0)

(19)農業振興施設8(2:斐川水稲等基幹施設 総合基幹施設、水稲育苗施設)

(20)商業振興施設3(2:斐川企業化支援センター、斐川企業化支援貸工場)

(21)水産業振興施設3(0)

(22)保育園4(1:直江保育所)

(23)子育て支援センター2(0)

(24)高齢者ディーサービス等施設10(0)

(25)介護予防施設7(0)

(26)障がい者福祉施設3(0)

(27)保健施設(保健センター)5(1:まめなが一番館)

(28)社会福祉センター等6(1:老人憩いの家「寿昌園」)

(29)その他公園4(1:今在家農村公園)

(30)不燃物処理施設6(1:斐川クリーンステーション)

(31)駐車・駐輪場等5(0)

(32)その他21(1:原鹿の旧豪農屋敷(指定文化財))

環境経済常任委員会視察報告

~新しいエネルギーセンターの建設に向けて~

私が所属している環境経済常任委員会では、出雲市芦渡町にあるエネルギーセンター(エネセン)に替わる新しいエネセンについて検討するため、10月3日に可燃ごみ処理施設である愛知県の刈谷・知立環境組合クリーンセンター(H21年3月完成)と岡崎市中央クリーンセンター(H23年6月完成)を視察しました。

① 両施設の概要

  • 1日の処理能力:

291t(刈谷・知立。人口21万7千人)

380t    (岡崎。人口37万8千人)

  • 厳しい環境基準をクリア。特にダイオキシン類濃度は環境基準の10分の1(岡崎)または10分の5(刈谷・知立)以下である。
  • 効率的なエネルギー利用をするため、廃熱を利用した蒸気タービン発電(岡崎、刈谷・知立)や近くの温水プールへ熱の供給(刈谷・知立)を行う。
  • 最終処分場の延命化のため、溶融物のスラグ(アスファルト用)やメタルへの再資源化(岡崎、刈谷・知立)を行うハイテク施設である。
  • いずれの施設も、計画から完工まで10年は要している。
  • 岡崎市の場合、完工10年前(H13年度)に建設用地を取得している。
  • 建設場所は、岡崎の場合は住宅や商業地から離れた山の中に建設され、刈谷・知立は駅の前の平地で、どちらのクリーンセンターも「迷惑施設」的な感じはない。

② 出雲エネルギーセンターの目指すべき方向

  • 現在の出雲エネルギーセンターの耐用年数は、10年後の353月が終期である。
  • 6月補正予算で、建設用地を選定するための調査委託費520万円が予算化されている。
  • 目指すべき施設は、厳しい環境基準をクリアし、廃熱利用ができ、かつ、溶融物が再資源化できるものでなければならないと考えます。

 


終わりにあたって  

最新の情報として、年来の課題であった斐川地域の「公共交通体系」が斐川地域交通運行協議会でまとめられ、近く発表されるとの報告を斐川支所から受けました。出雲市や平田市と斐川との路線や斐川地域内の路線について具体的な方向性が示されます。また、路線決定に当たっては、住民の意見が反映されるような方法も採用されるようです。このたよりが皆さんに届くころには路線案が示されていると思います。いずれにしても、高齢者の方の外出の足となり、地域の便利さや活気を引き出すことに役立つ「公共交通体系」にしたいものです。

 


活動スナップ

米米(まいまい)田んぼで稲刈り作業

まいまい

10月1日に、斐川町農業委員会の食育事業活動の一環として、斐川西中の西隣の米米(まいまい)田んぼで、稲刈り作業に参加しました。町内の小学校の約2百人の児童、農業委員、上直江生産組合の皆さんが一緒になり、鎌で収穫しました。収穫されたコメは町内の児童・生徒の学校給食用米として消費されます。

収穫作業後はみんなで一緒に学校給食センターで調理された昼食をとりました。


 

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