新緑の5月も終わりを迎えつつある今日この頃、皆様方にはつつがなくお過ごしのことと存じます。
本日皆様に議会だより第7号をお届けいたします。拡充された主な事業や3月定例会での代表質問、その後の動きや活動状況を載せております。
ご存じのとおり、出雲市は行財政改革期間中であり、ハード面の事業は少ないですが、観光や定住事業、福祉、教育という身近な事業が予算化されています。
斐川にとっては合併時の引き継ぎ事業の実施やいりすの丘の再興などの課題がありますが、息長く要望していきたいと考えております。
出雲市議会もまもなく6月定例会が6日から26日まで開催されます。行財政改革、観光・定住対策、農業施策、神戸川発電用水問題が議論になると思います。これからも、皆様方の身近な問題や要望を引き続き出雲市行政に反映させるべく頑張っていきますのでよろしくお願いいたします。
① 乳幼児等医療費の無料化が今年の7月から小学校就学前までに拡大子育て世代の経済的負担が軽減され、一歩前進と考えます。
*現在:3歳~小学校入学前までは1箇月、1医療機関当たり入院で2千円、外来で千円の負担あり。
*これについては、市議会が要求し続けていたものであります。私も昨年12月議会の一般質問で取り上げました。議会の中には、義務教育就学期間中まで延長すべきとする意見もありましたが、病気にかかりやすい年齢や厳しい財政状況にかんがみ、3歳未満までから小学校就学前までとする今回の市長の決断は歓迎すべきものと考えます。
② 拠点10校へ学校司書配置 → 学校図書館を活用した授業や学習を支援
従来、市内の小学校(40校)、中学校(15校)に読書ヘルパー(有償ボランティア)を置き、学校図書館の活用や読書推進活動を行ってきました。
今年度から市内の拠点校10校に、読書ヘルパーのほかに学校司書(年間1,470時間)を置き、読書の習慣化や調べ学習を充実する体制をとりました。
斐川地域では、西野小学校に学校司書が配置されます。
③ 西野小学校の屋内運動場の改築と校舎の耐震補強工事の実施が決まる。
合併時の出雲市への引き継ぎ項目の一つ。斐川の要望が叶う。
屋内運動場:面積1,333㎡(現在の1.94倍)
工事計画:今年の7月~9月:低学年教室棟の耐震補強工事
今年の7月~H27年3月:屋内運動場建設(現在の隣接地)
H27年1月~3月:仮設渡り廊下建設
H27年7月~9月:既設屋内運動場解体工事
H27年9月~12月:既設校舎曳移転工事
H27年12月~H28年3月:渡り廊下建設工事
H28年6月~7月:仮設渡り廊下解体工事
H28年6月~8月:渡り廊下建設工事
H28年7月~10月:駐車場整備工事、校庭整備工事
④ 出雲地方を舞台にした2つの映画の製作に支援
「たたら侍(仮称)」(錦織良成監督)
・この映画は、県、出雲市ほか6市町が連携し、出雲地域の魅力を全国発信するものです(出雲市2,000万円負担)。
・人気グループのEXILEのHIROさんがプロデューサーを務め、5月7日のキックオフイベントで披露されました。
・出雲地域での本格的なロケは来年6月から8月の間で、再来年に公開予定です。
「縁~THE BRIDE OF IZUMO~」(堀内博志監督)
・この映画は、出雲市の観光情報発信として、縁結びをキーポイントに、出雲市出身の新監督、堀内博志氏による映画です。素晴らしい映画になるよう期待しております。県、出雲市ほか6市町が連携し、出雲地域の魅力を全国発信するものです(出雲市1,300万円補助)。
施政方針質問の要旨
2月24日に、政雲クラブを代表し、H26年度の市長の施政方針について、大きく7項目について質問いたしました。その概要を掲載いたします。
問 平成26年度は「新出雲市」の誕生後、10周年の節目の年にあたります。合併後の出雲市全体の発展とそれぞれの地域特性の発揮について、市長の抱負を伺う。
「出雲未来図」に基づき、各地域が魅力と活力あふれるまちづくりを進め、発展し、市の総合力を高めることが、市全体の一体的発展につながると考えています。
問 市の借金(一般会計の地方債残高)がH25年度末で約1,264億円あるが、H26年度予算は中期財政計画(H24年12月策定)に沿ったものであるか伺う。
「出雲未来図」の推進と財政の健全化の双方を推進するため、選択と集中、優先順位の明確化によりメリハリのある予算編成を行ったところです。それぞれ(下記)中期財政計画より改善する見込みです(下記)
中期財政計画(H24.12)との対比
1 財政調整基金・減債基金(貯金)の現在高
中 期 財 政 計 画 30億2,300万円
H26年度末見込額 39億6,200万円 差引 9億3,900万円の増
2 地方債(借金)の現在高
中 期 財 政 計 画 1,235億8,700万円
H26年度末見込額 1,213億7,800万円 差引 22億900万円の減
3 実質公債費比率(3カ年平均)(低いほど財政は健全です。)
中 期 財 政 計 画 20,8%
H26年度末見込額 19.6% 差引 1.2%の減
問 行政改革部という「仏」は作られましたので、「魂」を込めて行財政改革に頑張られんことを望みます。行政改革部を、市全体の組織の中で、どのように動かそうとされているのか伺う。
① 行政改革部は、全庁の取り組みを横断的に把握し、分析し、管理し、行財政改革を強力に推進するために設置しました。
② 行政改革部を中心に事務事業や公共施設の見直しを聖域なく実施することにより、市民生活に影響を及ぼすことは避けて通られず、分かり易い情報公開により、市民の皆様の理解を得るよう努めてまいります。
③ 私自らが行財政改革の先頭に立つとともに、全職員一丸となって取り組んで参ります。
問 新規の「出雲シティセールス事業」(予算5千万円)は、出雲を全国に発信し、交流人口と定住人口の更なる増加を目指すものと位置付けられた5つの事業からなっており、出雲がホットな話題とされている中で時宜を得たものである思います。
この中に、若者を引き寄せるための方策として、出雲市と包括連携協定を結んでいる地元島根大学や県立大学はもとより、全国の大学などと提携し、若者に生きた教材の多い「出雲の地」で研究・学習するフィールドを提供することは、出雲を発信し、若者の参画による活性化に効果的と考えるが、今後、より積極的に取り組まれる意向があるのか伺う。
本市は、島根県立大学とH21年10月に、島根大学とH22年8
月に連携協定を締結し、学生の実習やインターンシップなど様々な連携事業を行ってきました。他の大学からも同様な依頼があった場合には、本市の施策と合致すれば積極的に連携を行っていきたい。
現に、学生が研究を通して地域コミュニティーと交流を行っている事例は各地で見られます。今後とも大学と連携し、学生に学習や研究の場を提供することにより、交流人口の拡大や地元への定住を促していきたい。
・写真の右は、大社町鵜鷺地区で藻塩づくりに取り組むNPO法人ふるさとつなぎ「鵜鷺チーム」代表の清水隆矢さん。島根大学在学中から島根の地域づくりにかかわり、鵜鷺地区に夫婦でIターン。写真の左は「鵜鷺げんきな会」の事務局長で、Uターン組の安部進さん。
・写真右は、「鵜鷺げんきな会」発行の手作り冊子「うさぎじかん」
① 商工業について
問 医療機関と大手医療機器メーカーが集積している当地で、医療・福祉分野と産業技術の連携促進は大切なことである。今回施政方針に掲げられた医工連携支援事業の具体的な内容は何か。
医療・福祉現場のニーズを調査し、新たな医療・福祉機器の開発や地元食材などを活用した食品の開発を支援して行く考えです。
問 商店街の賑わい創出の取り組みを支援するとあるが、具体的にはどういうことか。
県の「商店街にぎわい創出セミナー」の取り組みを支援し、若手リーダーの育成を図っていきたい。加えて、空き店舗を活用し、新たな人の流れや集客につながる活動の場を若手経営者に提供し、にぎわい創出の取り組みができるよう関係商工団体と連携し、支援をしたい。
問 IT、事務センター等のソフト産業系業種の誘致について具体的な計画を伺う。
現在、本市では企業誘致の主軸を製造業に置く一方で、職業選択の幅を広げるため、IT関連企業をはじめ事務センターなどの事務系業種への誘致を図るため、企業訪問やIT企業を対象とするセミナー等への参加を積極的に行っている。引き続き取り組むこととしております。
② 農業振興について
問 国の農業政策の転換により、農家には不安と混乱が生じている。地域実情に応じたきめ細かい政策展開が必要であると考えるがこれについて伺う。
水田農業の多い本市にとって、経営規模拡大による生産コストの削減と所得向上が重要な課題であると認識している。そのため、斐川町農業公社やJAいずもと連携し、経営規模の拡大や経営力強化に向け、法人組織化への取り組みを支援して参りたい。水田の利活用については、米から他作物への転換のための様々な支援制度を活用し、米に偏らない経営の多角化を進めて参りたいと考えております。
問 政府が推奨する飼料用米について、斐川地域においてもH26年から取り組まれようとしており、飼料用米の乾燥調製施設が必要となるが、これについて伺う。
斐川町農業協同組合には飼料用米専用の受け入れ施設がない状況です。JA出雲が保有する施設の有効利用を検討して参りたいと考えております。
4月11日に、JA斐川町、JAいずも、斐川町農政会議、出雲市農政会議の4者連名で、JA斐川町の黒目カントリーエレベーターの施設整備とJAいずもの集出荷貯蔵施設の新設に対する市費補助(事業費の6分の1以上の補助)を求める要望書が出雲市長に出されました。
これは、市内で生産される高温耐性品種「つや姫」はJA斐川町で、飼料用米はJAいずもで荷受けを行うことで機能及び役割を分担する計画を実行するためのものです。6月議会に市長から補正予算が上程されると思いますが、可決に向けて頑張りたいと思います。
「つや姫」の荷受けを担う黒目カントリーエレベーター
③ 宍道湖シジミ漁の振興について
問 シジミの資源回復への更なる支援について伺う。
宍道湖のシジミの資源量はH25年度の春季調査で1万8000t→秋季調査では7万2000tまで回復しています。ただ、自然条件に左右されるため、今後もこのまま回復するか不明です。本市では漁協が実施する湖底の貧酸素状態を解消するための湖底撹拌用船舶およびポンプの整備を支援してきましたが、今後とも継続して支援をしてまいりたいと考えております。
問 定住施策の中の結婚対策について2点伺う。
(1)「結婚支援者(お世話役)」の育成・輩出について
(2)昨年12月に市内の30歳代の男女に対して行われた「結婚に関する市民意識調査」について
(1) について、市では県が委嘱している結婚支援ボランティア「島根はっぴぃこーでぃねーたー(はぴこ)」(現在22人登録)および地域のボランティアの活動を支援しています。今後も結婚支援者の育成・輩出を行い、地域での結婚支援を推進していきます。
*H26年度「縁結びプロジェクト推進事業」予算額160万円
(2) について、回答者は450人(回答率22,5%)、うち独身者は101名でした。行政に求める結婚支援策として「子育て支援の充実」が最も多く、次に「夫婦で働き続けられる職場環境の充実」、「安定した雇用機会の提供」が挙げられています。
また、「未婚理由」としては「適当な相手に巡り会えない」が最も多く、次に「結婚資金が足りない」、「異性とうまく付き合えない」との意見がありました。結婚対策は市政全般にかかわる事業で、H26年度から「縁結び定住課」を新設し、積極的に取り組んで行きます。
出雲縁結びグループ「松遊会」(代表:多々納弘前出雲市議会議員)昔懐かしい呼び名の“好事人(こうじにん)さん”グループです。
問 子育て世代等の定住促進のための「未利用市有地の有効活用」とはどのような内容か伺う。
具体的には、市や土地開発公社が所有する未利用地を購入しやすいように、経費助成や借地方式の導入など、初期費用の負担軽減策などを検討していきたいと考えております。
問 「確かな学力の向上」を図るため、学力向上推進係を設け、体制整備を図るとのことであるが、ねらいと内容について伺う。
平成25年度全国学力・学習状況調査結果で、一部の学年・教科で全国の平均正答率を下回っていたほか、考える力や意欲が十分に育っていない状況が見られた。このため、学校での学力向上の支援(日々の授業の工夫、質の向上)をする係を新設し、学校訪問指導や授業の研究会などの実施、学力調査結果についてそれぞれ学校・学年・教科別に徹底した分析、評価、改善の取り組みを行います。
問 幼稚園での特別支援教育について、中央幼稚園に加え今市幼稚園を拠点とし、支援体制の充実を図ると述べられていますが、情緒障害や多動、発達障がいの子供が増加しつつある今日、幼児期という早期からの取り組みはますます重要であり、施策の充実が望まれるが、見解を伺う。
現在中央幼稚園を拠点園とし、各学年5人ずつの15人の受け入れを行っているが、対象園児の増加傾向の中で新たに今市幼稚園も拠点園にすることとしました。具体的には、受け入れ可能人数や支援体制などを検討し、年度中のできるだけ早い時期に開設する予定です。
特別支援教育の拠点:出雲市今市町の「中央幼稚園」。ここでは、H25年度に1年間インクルーシブ教育構築のための実証研究がなされました。右側の写真は斐川地域の拠点「中部小学校の通級指導教室」の玄関です。
環境経済常任委員会で愛知県豊田市の「とよたエコフルタウン」を視察環境経済常任委員会は、5月13日に低炭素社会システムに先進的に取り組んでいる豊田市のエコタウンを視察いたしました。太陽光発電エネルギーのコントロールにより家庭で使う電力の全量を太陽光発電で賄う「スマートハウス」の仕組みや運用について学びました。豊田市では、官民一体となった「低炭素社会システム実証推進協議会」が推進組織となって、家庭部門、交通部門、コンビニ、スーパーなどの業務部門で実証実験が進められています。視察した「とよたエコフルタウン」は2012年5月に一部がオープンし、2014年4月に全面完成したとのことであります。住宅ではすべての家電製品や電気自動車の充電器が情報通信技術と「スマートメーター」や「ホームゲートウェイ」で連携し、エネルギーの見える化が実施されております。「ミライのフツーを目指そう」が市民へのメッセージで、スマートハウス減税を実施し(全国初)、建物の固定資産税を3年間にわたって1/2減税することとしています。出雲市のこれからの取り組みに大いに参考にしたいと感じているところです。
「スマートメーター」や「ホームゲートウェイ」で太陽光発電がコントロールされているスマートハウス
大社町鵜鷺地区の人口は244人、世帯数は128世帯で、高齢化率は61,9%と高く、かつて盛況だった鉱山の採掘も一本釣り漁業もすたれ、若い人は出ていくという典型的な過疎・高齢化の漁村です。
Uターン者でまちづくりのリーダーと島根大学の卒業生で現在は出雲市民であるIターン青年との協働で、「塩炊き」や「古民家活用」など地域の自然、歴史、特性を生かした「まちづくり」や外部からの人の呼び込みによる活性化を目指し、日々がんばっておられます。特に、外部からの若い息吹が地域の人々を活気づけております。
イベント「アワビ&猪肉パーティinうさぎ」。地区外から40人ばかりの人が参加。大学生や青年に活気づけられ、それぞれが地域づくりに熱弁をふるう熱いひと時でした。(3月29日うさぎコミセンにて)
4月30日(水)に、高木雄次笹川平和財団理事長(出雲市大津町出身)を訪問し、将来の出雲市について語り合いました。彼は私の高校時代の同級生で、三井物産で主にエネルギー畑を歩き、海外勤務も長く(アメリカ14年、中東のドバイ4年)、北海道支社長時代には北海道の経済や地域振興に数々の貴重な提言を行っています。現在も国際平和貢献として月に2回は海外に出張する日々が続いているとのことです。「出雲市は環境、文化、観光の各種資源や環日本海地域との交流の潜在的可能性に満ちた地域」と高く評価しています。当然のことながら、日本国内の企業トップとのパイプも多く、少子・高齢化で悩む出雲市や島根県の活性化のため、彼の知見や人脈に期待しています。
笹川平和財団理事長室にて、左から大場、宮本亨議員、高木雄次理事長、坂根守議長、板倉一郎議員
荘原の街のシンボル的存在であったショッピングセンター「アイ」が破産し、設立時から利用していたものとしてさみしい限りです。荘原、出東地区の多くの方々も私と同じ気持ちでしょう。昭和57年6月から32年間、活気と賑やかさ、便利さ、交流の場を提供してきました。従業員の方の再雇用の達成のためハローワークや市のジョブステーションが尽力している(市の担当課長)と聞いています。また、施設の後利用も模索されていると聞いております。この地域の活性化のため、今後の再開が待たれるところです。