26年11月議会だより

ご挨拶

皆さんこんにちは。議会だより第8 号をお届け致します。
秋も深まり、昼は小春日和り、夜は冷え込む今日この頃です。季節の変わり目ですので、風邪などをひかぬよう健康に十分に留意され、元気な日々をお過ごしいただきたいと思います。
稔りの秋とはいえ、今年産米の概算金が昨年に比べ60㎏当たり3 千円以上も下がり、またTPP 交渉も不透明な状況が続く中、稲作農家にとっては厳しい状況を強いられています。農業の一日も早い安定・改善を望んでおります。国の動きも慌ただしく、それにつれ市においても、さまざまな施策が実施されようとしております。紙面で皆さんに早くお伝えするには時期的にも量的にも限界があります。重要な方針や出来事を極力ホームページでタイムリーにお伝えしたいと思いまので、そちらの方もご覧いただけたら幸いに存じます。

9月議会での一般質問

(項目1)出雲いりすの丘公園の再開について

質問の趣旨

「出雲いりすの丘公園」の再開については、H20 年4月の閉園後、市当局においても再開に向けての検討がなされていましたが、平成26 年3 月にシンクタンクである山陰経済経営研究所から「出雲いりすの丘公園の再生方針にかかる調査業務報告書」が出されました。この報告書によると現在の出雲いりすの丘を3 つのゾーンに区分し、再生の方向を示しています。すなわち、

  • 6次産業化ゾーン:加工房A 棟、B 棟、ハム・ソーセージ工房、体験工房、地ビール醸造所(レストラン)のある区域で引き続き農業の6 次産業化を目指す区域。
  • 温浴保養ゾーン:ひかわ美人の湯の区域で市民の健康増進を主目的とする。
  • 多目的ゾーン:農業公園としての機能にとらわれることなく、土地等の有効活用を図る区域。

今後の具体的な利用計画については、民間事業者などの申し込み(提案)を基に、決定されます。そこで、今後の市の意向を確認するため、以下の質問を行いました。

質問 

いりすの丘公園は26haの広大な面積ですが、土地の権利関係はどのようになっているのか伺う。

吉井貴史産業観光部長答弁:

約4.2haが借地です。地権者や関係の方々には再生方法や今後の用地の利用形態を説明し、理解を得ながら進めていきます。

 

質問

6次産業化ゾーンや多目的ゾーンの一部には、農林水産省の補助金が出ており、仮に農業以外の用途にすれば補助金返還が生ずると聞いているが、その額はいくらか。

吉井貴史産業観光部長答弁:

出雲いりすの丘公園の7つの施設を整備するのに、農林水産省から4億2千万円の補助金が出ており、仮に補助を受けた施設全部を用途変更した場合はH26年度末で1億4千万円の補助金返還が生じます。多目的ゾーンの牧舎の補助金返還は1,300万円となります。

 

質問

民間事業者から出される新たな活用案について、市として一定の選考基準を持っているのか、6次産業化ゾーン、多目的ゾーンのそれぞれについて伺う。

吉井貴史産業観光部長答弁:

6次産業化ゾーンにつきましては、農業振興という補助事業の目的に沿った施設の整備を目指しながらも、用途変更することも視野に置きます。多目的ゾーンにつきましては、市有資産として有効活用を図ることを基本的な考えとしています。

 

質問

提案された事業については、基本的に提案者の自由に任せ、整備や管理運営をするが、「場合によっては市の関与も検討する」とあるが、具体的にはどのような場合か。

吉井貴史産業観光部長答弁:

例えば、公園内の既存施設の改修や撤去を提案された場合には、提案内容を勘案したうえで必要な支援を行うことを想定しています。

 

質問

事業実施の可否を決定する際に、周辺地域住民や外部の有識者などからなる「選定委員会」を設ける意向はあるのか。

吉井貴史産業観光部長答弁:

事業内容や効果など多角的に分析評価する必要があるため、選定委員会などにより各方面からの意見を聴取したうえで、提案の採否を判断していきたい。なお、選定委員会の構成員については今後検討していきたいと考えます。

 

質問

現在の施設を有効に使ったイベントや研修や会議などを行うことで人が往来する空間にしていくことが必要と考えるがこの点を伺う。

吉井貴史産業観光部長答弁:

出雲いりすの丘公園の再生方針として、既存の施設を有効活用し、農業振興に資する施設を目指しながらも実現性や継続性などの視点から施設の用途を幅広く考えることにしております。その方針に沿って、イベントなりに使っていただく仕組みづくりも提案を受ける中で検討していきたいと考えます。なお、再生に向けた事業が実施されるまでの間、できるだけ既存施設の有効利用に努めていきたいと考えます。

(参考)平成25年度のいりすの丘でのイベントは11件でした。

 

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「斐川いりすの丘公園」でのボランティア清掃後の記念撮影

 

(コメント)

6次産業化ゾーンについては、基本的にグランドゴルフ農業振興、農産加工を目指す意向は確認された。このゾーンにおいては現に熱心な取り組みがなされており、市としても、引き続き拡張する方向で支援すべきと考える。多方面から質問をしたが、答弁は具体性に欠けるものであった。今後作業を進める中で具体的な方向性が明らかになるので、今後に注視していきたいと考える。私としては市民の方の意向を把握するよう引き続き努めたい。

 

項目2:「地域自治区および地域協議会の見直しについて」

(質問の趣旨)

地域自治区および地域協議会については、今年の2月議会での市長の施政方針で「見直す」旨の発言がありました。地域自治区および地域協議会は、合併により広くなった出雲市の行政に住民の意見を反映させるため、市の区域を分けて設けられるもので、出雲市では合併前の市町の区域ごとに7つの地域自治区(出雲、平田、大社、佐田、多伎、湖陵、斐川)が設けられています。地域自治区には地域協議会が設けられ、ここでまちづくり計画が策定され、また、市長からの諮問に応じています。

8月22日には、地域自治区および地域協議会をH29年3月31日限りで廃止する旨の見直し案が各地域協議会会長あてに提示されました。この見直し案について、出雲市と大社町の地域協議会は概ね目標を達成したため廃止に賛成、その他の5地域協議会は継続を求めるという意見でした。市当局の考えは、新市の一体感の醸成を図るため、今後は各地域の自治協会を受け皿としたいとの意向です。

 

私は、地域自治区および地域協議会の廃止には慎重な考えで、時間をかけて検討すべきであると考えておりましたので、2月議会に次いで9月議会で再度質問を行いました。

 

質問

地域自治区および地域協議会を廃止する理由および地域協議会を廃止した場合のまちづくりの主体はどこになるのか伺う。

高田茂明総合政策部長答弁:

地域特性や人口規模の違いにより、各地域協議会の活動に温度差があること、自治協会と役割が重複していること、市民の認知度が低いこと、また自治協会が地域の意見集約や地域づくりの母体として既に機能している点から、合併から10 年を経て、市の一体化が図られる中、地域自治区、地域協議会制度は一定の役割を終え、今後は地域住民に最も身近な自治協会に担ってもらうことが最も適当であると判断いたしました。

質問

特に斐川地域のように合併して3 年しか経っていないところではもう少し長い目で見てほしいとの意見もあるが、良く意見を聞いて対応して欲しい。

高田茂明総合政策部長答弁:

存続を求める意見の中には自治協会に移行するにはまだ体制ができていないので移行期間として残してほしいとの意見もあ りました。いずれにせよ、自治協会が受け皿となるような形で支援をしていきたいと考えております。

質問

コミセンの見直しがなされると聞いていたが、その後どうなっているのか。

高田茂明総合政策部長答弁:

コミュニティセンターの見直しにつきましては、平成25年度(2013)は使用料のあり方や業務の実態調査を行いました。本年7月には将来の職員体制、雇用制度などについてアンケートを行い、業務等の実態等について分析をするとともに、行政事務や団体事務のあり方について検討を進めているところであります。

今後、コミュニティセンターの果たすべき役割と機能、適正な職員配置、雇用制度の改革等について逐次検討を進めていくことにしております。言うまでもなく、コミュニティセンターは地域のまちづくりの核であるとともに、その役割が重要であることから引き続き丁寧に進めていく考えであります。

 

項目3:「斐川町との合併時の引継事業の実施状況について」

(質問の趣旨)

10月には、斐川町との合併から満3年をIMG_1275迎えます。この間、市長はじめ執行部の理解と尽力により、大きな事業が完成または進行中でありますが、未だに着手されない事業もあります。そこで、斐川町から引き継いだ事業の実施状況について伺いました。

 

質問

10月で斐川町との合併は満3年を迎えるが、当時出雲市へ引き継がれた事業について、実施済みの事業と実施されていない事業について伺う。また、実施されていない事業について、今後の見通しあるいは計画について伺う。

長岡市長答弁:

ご質問のあった事業について、既に実施したものから順にお答えします。

  • 社会福祉センター四季荘の耐震補強を含むリニューアル事業
  • 大黒山麓地区の簡易水道と上水道の統合整備事業

この2つの事業はH25年度までに完了いたしました。

  • 西野小学校の屋内運動場の移転新築事業

今年度中に屋内運動場が完成の予定です。引き続き旧体育館の解体工事や特別教室の移転工事を実施します。

  • 中部小学校の大規模改造

屋内運動場についてはH25年度に新築しました。教室棟、廊下棟については今年度に耐震補強設計を実施し、H27年度に工事に着手する予定です。

  • 斐川中央工業団地の造成

H27年7月に工事が完了の予定です。

  • 市道坂田阿宮線の整備
  • 市道上庄原北筋線や上直江大島線などの整備

市道の整備につきましては、改良すべき路線として9路線を引き継いでおります。9路線のうち中溝西線(荘原神庭地区)と新川中央線(出西求院地区)は完了しております。坂田阿宮線はH27年度中に完了予定です。市道上庄原北筋線や上直江大島線など6路線は未実施ですが、全体計画の中で優先順位を見極めながら実施して行くこととしております。

  • 斐川学校給食センターの移転新築

築33年経過しており、移転新築については将来的な給食センター全体の配置の在り方を考慮しながら検討すべき課題であると考えております。

  • 久木コミセンの移転新築

市内の43のコミセンのうち22か所が築後31年以上経過し、全体的に老朽化が進んでおります。久木コミセンについては、改築整備等の必要性について、全市的な視点から検討したいと考えております。

 

質問

財政状況も厳しくなる中で、引継事業の実施を待ち望んでいる市民へ市長からのメッセージをお聞きしたい。

長岡市長答弁:

今までさまざまな機会を通して、対話を重ねながら合併前から棚上げになっていた懸案事業にも積極的に取り組んできました。これからも新たに策定した「出雲未来図」を実現するため、各種事業に取り組まなければなりません。斐川地域だけではなく全出雲市の総合力を高めるため、全力で取り組んで行きますので、ご理解を賜りたいと存じます。

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(左)整備が待たれる市道上庄原北筋線。
(右)整備中の市道坂田阿宮線。

 

 

行財政改革特別委員会から長岡市長へ報告

私が所属している行財政改革特別委員会(萬代輝正委員長)は、行財政改革項目のうちの公共施設の見直しについて検討し、9月24 日(水)に、長岡市長に「公共施設の見直しに係る検討結果について」と題する行財政改革特別委員会報告を提出しました。 これは、203 の見直し対象施設から、新たに設けた評価基準に基づき点数化(100 点満点)し、評価点数の低い施設および評価点数は高いが民間等へ移譲が可能な64施設をリストアップし、執行部へのヒアリングや実地調査を実施し、下記の視点から特別委員会としての方向性を出したものです。

64施設の見直しの視点

第1の視点:

市として提供すべき必要なサービスか否か主な個別施設の検討の方向
1. 国際交流会館については譲渡
2. 平田一式飾常設館については他施設への移設
3. 体育館(出雲、平田、斐川第2)については統合
4. 温浴保養施設(クアハウス湖陵、ひかわ美人の湯など11 施設)は譲渡
5. 道の駅(キララ多伎、湯の川)は公共サービスを維持しつつ、譲渡
6. 宍道湖公園湖遊館は県へ支援を要請
7. 出雲平田B & G 海洋センターは廃止
8. 出雲ドームクラブハウスは譲渡
9. 斐川水稲等基幹施設水稲育苗施設および同総合基幹施設は譲渡
10. 今市元気交流館(本町)、寿昌園(直江)は廃止
11. 湖陵ディーサービスセンター、平田ディーサービスセンターは廃止
12. 佐田老人福祉センター「潮の井荘」は譲渡
13. 宍道湖市民農園は廃止

第2の視点:

必要→(1)存続 (2)統合 (3)譲渡(売却、無償譲渡を検討)(4)廃止 (土地、建物処分を検討)
不要→(5)廃止(用途変更(地域合意)を検討)(6)譲渡(売却、無償譲渡を検討)

市長の回答

「この報告を重く受け止め、今年度中には結論を出したい。」

平成25 年度の出雲市の決算審査に臨んで

9 月議会は俗に「決算議会」と言われます。前年度(平成25 年度)決算議案は、一般会計、16件の特別会計、2 件の企業会計(水道、病院)合わせて19 議案でした。これらの議案は最終日の本会議ですべて認定されました。
決算議案の審査は、計数的に正確であるか、各事業予算が適正かつ有効に執行されているかを見るものです。今年は副委員長に選任されたこともあり、723 ページに及ぶ一般会計・特別会計の事業別決算説明書(843 事業)をはじめ、水道事業会計や病院事業会計の決算書、さらに監査委員による「決算審査意見書」を読み通し、審査に臨みました。

 決算の内容

一般会計の決算総額

(決算の内容)

 歳 入 歳 出 H26年度への繰越額 実質収支額
769億3千万円 755億8千万円 3億2千万円 10億3千万円

*実質収支額(10億3千万円)の2分の1を下回らない額(5億2千万円)を減債基金(貯金)に積み立てます。

 

② 16特別会計の決算総額

歳 入 歳 出 H26年度への繰越額 実質収支額
490億8千万円 484億6千万円 1億円 5億2千万円

 

③ 起債(借金)残高

一般会計1260億3600万円 + 特別会計815億5200万円 = 2075億8800万円

*H24年度は2150億3400万円で、対前年度との比較では74億4600万円(▲3.5%)の減少ですが、起債(借金)残高は依然として多額であり、引き続き削減努力が必要です。

 

④ 財政力指数

H25年度の指数は0.49%。H24年度(0.48%)と比較し改善が見られる。

*財政力指数とは、自主財源の占める割合のことで高いほど財政力が高く健全です。

 

⑤ 経常収支比率

H25年度の比率は90%。H24年度(91.9%)と比較し改善が見られる。

*経常収支比率とは、財政の中に人件費、物件費、扶助費、公債費(借金返済額)などの固定費が占める割合のことで、数値が低いほど財政の弾力性が高く好ましいです。

 

⑥ 実質公債費比率

H25年度の3カ年平均比率は20.3%。H24年度(21.0%)と比較し改善が見られる。しかしながら、全国の市区町村の平均は8.6%であり、これと比較すればはるかに高く、全国の793市区中悪い方から数えて8番目である。

 

⑦ 将来負担比率

H25年度の比率は206.6%。H24年度(224.2%)と比較し改善が見られる。

しかしながら、全国の市区町村の平均は51.0%であり、これと比較すればはるかに高く、全国の793市区中悪い方から数えて8番目である。

 

総括的感想

厳しい財政状況のもと、無駄を省き、実質収支額を黒字決算とする執行部の努力が、各事業の執行において読み取れました。この姿勢を今後も持続させて欲しいと強く感じております。
H25 年度決算は対前年度よりいくらか好転しているものの、実質公債費比率および将来負担比率は依然として厳しい状況(全国ワースト8)であり、引き続き行財政改革が強く求められております。

 

西野小学校の学校図書館を訪問して

 

①出雲市教育委員会は、学校図書館に従来の読書ヘルパー(有償ボランティア)のほかに、今年度から小学校の拠点校10校に学校司書(1日6時間、52週勤務)を配置し、拠点校および周辺校における調べ学習の支援を行うこととしました。
②「学校図書館に学校司書配置を」を市当局に要求して来た者として、配置後の状況を把握するため、10 月10 日(金)に斐川地域の拠点校である西野小学校の学校図書館を訪問しました。
③時間的には2校時目と3 校時目の間の休憩時間で、2校時終了のチャイムが鳴り終わると、次々に多くの児童が入ってき、上級生の図書委員がカウンターに入り、バーコードを読み取る機械を用い上手に貸出を行っていました。
④合併前の斐川町立の小中学校には学校司書が配置され、児童生徒の調べ学習や図書環境の整理・充実に当たっていました。合併後出雲の制度である読書ヘルパーに移行しましたが、拠点校という形ではありますが再び学校司書制度が採られることとしました。西野小の学校司書さんは、一部とはいえ学校司書制度が復活したことを歓迎しておられました。これから「周辺校」(中部小、荘原小、出東小)への支援に向かうとの計画も話しておられました。
⑤市議会議員になってから学校図書館の充実を訴え続けてきた者として、拠点校である西野小学校の学校図書館の活気ある状況を見て安心したところです。今後も学校司書の配置校を増やしていくよう働きかけたいと思います。
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万九千神社の正遷宮に参列して

10 月10 日の正遷座祭と翌日の奉祝祭に参列いたしました。万九千神社の遷宮は136 年ぶりの軸立・造替遷宮で、正遷座祭には三笠宮彬子女王殿下を先頭に、各界の皆様と地元の皆様が一体となり、反時計回りに2周され、新社殿へお移しになりました。錦田剛志(にしきだつよし)宮司によれば、全国から4000 名をはるかに超える奉賛者により遷宮がなされたようです。私も錦田宮司から「国譲り神話」の講義を受けたことがありますが、分かり易くおもしろい講義で、全国に多くのファンがおられると聞いております。この出雲郡の「神戸の郷(かむべのさと)」は全国の神々がお立ちになる「神等去出(からさで)」の地とされています。遷宮を機に、この地および社(やしろ)は出雲市の貴重な「文化的景観」であり、「文化資源」であるとの思いを強くしたところであります。

 

三笠遷宮後

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