(この質問をした理由)
4月30日に斐川東中学校の女子生徒が下校時に学校近くの交差点で交通事故に巻き込まれる事件が発生し、意識不明の入院生活を余儀なくされ、学校関係者、PTA、地域の住民に衝撃が走りました。なお、斐川東中学校は、地区の交通安全対策協議会を通じて、「交通規制・交通安全施設要望」を市の交通政策課へ提出いたしました。その内容は、
- 信号機の改良(「青」表示時間および「赤」表示時間の延長)
- 停止線までのカラー舗装および「生徒横断あり」の表示
- 斐川東中学校の案内表示板の設置
- 交差点内道路の段差整備
- 電柱への巻看板(「◆通学路注意!!」)の設置(4箇所)
を求めるものであります。幸い女子生徒は現在は退院し元気に学校生活を送っております。
通学路の安全、危険箇所の改善については毎年5月に要望され、昨年の中学生議会(H26年11月18日出雲市議会で実施)でも斐川西中学校の生徒から質問されました。
市内各所にある交差点などの通学路の安全対策について市当局の対策について質問しました。
左:斐川東中学校付近の交差点 右:中学生議会でも自動信号機への変更要望のあった上直江地内の信号機
転落防止のためにガードレールが設けられた中洲地内の市道
高田茂明総合政策部長
改善要望のあった危険箇所につきましては、地元関係者とともに警察や道路管理者等と現地で合同点検を行っており、通学路に関しては関係機関で構成をします出雲市通学路安全推進会議において事業主体の確認や対策を協議し、関係機関等の連携を図りながら危険箇所の改善に努めております。
毎年、5月末締め切りで、平成26年度(2014)における通学路にかかる改善要望は113件で、対策済みは65件、未処理は48件です。
未処理48件の内訳
公安委員会関係(信号機や横断歩道)(23件)
○対応できないもの19件
(理由)
・押しボタン信号機の要望に対し、横断者数が少ない
・一定の時間帯のみ交通量があるが、それ以外では少ない
・近接した場所に別の押しボタン信号機があり、二つ目は困難
・横断歩道については、現状では横断者が控えるたまり場所がなく、道
路照明等もないために設置できない。
○要検討4件
(理由)
・付近の商業施設の今後の動向をみる必要がある。
・出雲署として公安委員会へ申請する方向で検討中である。
市道及び県道関係(カーブミラーやガードレール)(25件)
○対応できないもの21件
(理由)
・カーブミラーがなくても目視可能
・カーブミラーを設置してもそれだけでは十分な視野が確保できない。
・私道から出る箇所へのカーブミラーは関係者で設置して欲しい。
・ガードレールの設置要望について、利用者が非常に少ないため市では対応できない。
○要検討4件
(理由)
・他の道路工事との調整を要する。
高田茂明総合政策部長
地元の皆様方が交通安全上必要であるとして要望しておられるので、基本的にそれが市の立場で必要ないと判断してはいません。優先度をつけて逐次整備をすることとしています。平成26年度はこういう判断であったが、平成27年度以降についてやっぱり必要だという地元の要望に対しては、市としても一所懸命検討させていただきたいと思っております。
高田茂明政策部長総合
基本的には、対応できないとしたものにつきましても、また翌年度出していただけたらと思っているところであります。
地域では「ここの通学路の改良・改善はどうしても必要だ」という強い気持ちがあります。現に事故が起こったり、事故寸前のものまで発生しています。地域の交通対策協議会の中には「何年も要望しておるのに要望が聞いていただけない」といういらだち感があることも聞いております。質問・答弁を通して毎年要望を重ねることが肝要であると思います。
なお、冒頭の斐川東中学校付近の交差点については、早速7月30日に交差点内の段差解消工事がなされたことをお知らせいたします。
(この質問をした理由)
生活保護に至らないまでも生活苦に陥っている生活困窮者を支援する新しい制度が、出雲市においても、昨年8月からのモデル的試行を経て、今年度から本格的に始まりました。
この事業については、地方自治体の取り組みにばらつきがあり、周知度も支援策の中身も十分とは言えないとの意見や評論が全国的に見られます。出雲市の取組状況について質問をしました。
*生活困窮者自立相談支援事業の概要
(必須事業) 国:4分の3補助
1 生活困窮者自立相談支援事業:市社会福祉協議会へ委託して実施
2 生活困窮者住居確保給付金:市(福祉推進課)で実施
(任意事業)
3 生活困窮者就労準備支援事業:国:3分の2補助
4 生活困窮者一時生活支援事業:ホームレス対策:国:3分の2補助
5 生活困窮者家計相談支援事業:国:2分の1補助
6 生活困窮者家庭の子どもへの学習援助事業:国:2分の1補助
7 その他生活困窮者の自立の促進を図るために必要な事業:国:同上
生活困窮者自立相談支援を行っている出雲市社協の本庁舎
佐藤茂健康福祉部長答弁
この制度は、多様で複合的な課題を有する生活困窮者に対し、一人ひとりに合った包括的な支援を提供することを目的としております。
本市では、制度の全国的な実施に先駆けまして、平成26年(2014)8月から「生活困窮者自立促進支援モデル事業」を出雲市社会福祉協議会へ委託して実施をしてまいりました。
その結果、モデル事業を実施した平成26年の8月から3月までの8か月間で、77名の方が本制度を利用して緊急的支援や課題の整理などを行い、うち7名について自立支援計画を作成し、目標や支援内容を定めて、関係機関と連携しながら課題の解決を図ったところでございます。
また、今年度の本制度利用者は、5月までの2か月間で43名で、うち8名の自立支援計画を作成しており、昨年度を上回る利用状況でございます。
佐藤茂健康福祉部長答弁
相談窓口といたしまして出雲市社会福祉協議会に「生活支援・相談センター」を設置し、専門職員であります主任相談支援員、相談支援員、就労支援員の3名を配置しております。
今年度も、複合的要因を抱える相談者に対しまして、包括的かつ質の高い支援を行うため、人材の養成を引き続き行う予定にしております。
佐藤茂健康福祉部長答弁
生活支援・相談センターでは、相談支援員のほか一時的な生活資金の援助も行えるよう、ワンストップサービスの体制を整えております。
また、相談者のプライバシー保護や相談しやすい環境を整えるため、施設改修を行い、センター専用の相談室を開設することとしております。
佐藤茂健康福祉部長答弁
「就労準備支援」につきましては、ニートや引きこもりは本人の問題だけでなく、家族全体その他の人間関係の問題などの場合もございまして、その解決すべき課題の把握と就労意欲へ結びつけるための支援が必要でございます。
また、「子どもの学習支援」につきましては、「貧困の連鎖」の防止という観点から、学習支援、進学支援などを行うだけでなく、虐待など、養育者・家族が抱える課題を解決することによって、子どもが育つ家庭環境を安定させることが求められております。
制度も始まったばかりでありまして、今年度、本制度の窓口及び市の生活保護、あるいはひとり親家庭の相談窓口などで、年間を通じて実態の把握に努めてまいりたいと考えております。
現在実施しております必須事業においても、任意事業の要素を取り入れながら支援を行うよう努めておりますが、本市の地域特性や社会環境を考慮の上、来年度以降、必須事業とは別に行うことが必要と考えられる事業があれば、実施を検討してまいりたいというふうに考えております。
モデル事業を実施した平成26年の8月から3月までの8か月間で、77名が本制度を利用し、7名について自立支援計画を作成、また、今年度は、5月までの2か月間で43名が本制度を利用し、8名について自立支援計画を作成という実態であります。わずかの期間でこれだけの方がこの制度を利用されたという事実に驚いたところです。
また、任意事業については必須事業の中で対応するとの意向でありました。特に「就労準備支援」および「子どもの学習支援」について効果が高まればそれも可能と考えます。
今回の質問では奨学金の問題は取り上げませんでしたが、「子どもの学習支援」において奨学金の充実も重要と思います。これについても今後執行部の動きを注視したいと思います。