26年12月議会「一般質問」

(質問項目1) 市の施設への太陽光発電システムの導入について

(この質問をした理由)

太陽光という再生可能エネルギーの地産地消については、電気料金の節減、太陽光エネルギーの普及による地域経済の活性化、すなわち出雲市版グリーンニューディール政策の実行、あるいは学校への設置による教育効果の発揮、さらに大きくは地球温暖化防止への寄与など、さまざまな効果があります。

出雲市においても一般住宅に対しては「住宅用太陽光発電システム設置費補助事業」により普及を図っていますが、同様に、市の施設へも積極的に導入すべきと考え、この質問をしました。

 

質問

市の建物で太陽光発電システムを導入している施設はどこか。

 

吉井貴史産業観光部長 答弁

 

本庁舎、出雲科学館、宍道湖公園多目的棟、斐川環境学習センター、風の子楽習館、ひかわ図書館、長浜コミュニティセンター、十六島風車公園管理棟、向陽中学校の合計9施設です。

 

質問

市の本庁舎の太陽光発電システムについて

(1)設置費(初期投資額)は幾らか。

(2)平成24年度、平成25年度の年間使用電力量は幾らで、このうち太陽光発電による電力量は幾らか。

(3)平成24年度、平成25年度の売電収入差引後の電気料金はいくらか。

(4)初期投資額が回収できるのはいつごろになるか。

 

吉井貴史産業観光部長 答弁

 

(1)について、

7,822万5,000円で、国の補助金3,911万2,000円の交付を差し引き、市の直接的な負担額は3,911万3,000円です。

 

(2)について、

年間使用電力量は、平成24年度は220万キロワットアワーで、平成25年度は221万キロワットアワーです。このうち太陽光発電量は、平成24年度は7万8,000キロワットアワーで、平成25年度は76,000キロワットアワーでした。

 

(3)について、

本庁舎の太陽光発電システムで発電した電気は、全て本庁舎で使用しており、売電は行っておりません。本庁舎の年間の電気料金は、平成24年度は4,328万円で、平成25年後は4,476万円でした。

 

(4)について、

平成25年度の発電量、電気料金を例に計算いたしますと、太陽光発電システムで発電した電力量を、仮に電力会社から購入した場合、1年間で92万円となり、これで市の直接的な負担額、3,911万3,000円を割りますと、投資回収には約43年かかることになります。平成21年に完成しておりますから、これから起算いたしますと平成64年ということになります。

 

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(出雲市役所屋上の太陽光発電設備)

 

質問

学校を含めて建物が建設されている、あるいはされようとしているが、

(1)国・県の有利な補助制度はあるのか。

(2)既設の建物への導入はどうか。

(3)導入するのに障害となる点は何か。

(4)計画的に太陽光発電システムを導入する意向はあるのか。

 

吉井貴史産業観光部長 答弁

 

(1)  について、

・国の補助金:再生可能ギー発電システム等対策費補助金固定価格買取制度を利用しないことなどを条件に、補助対象経費の2分の1以内で補助、上限は1件あたり1億円

・県の補助金:対象施設が地域の防災拠点施設に限定されています。補助対象経費の10分の10、上限は一市町村あたり2,750万円

 

(2)  について、

相当の重量物を乗せることから、強度、屋上形状の面から設置に耐えうる建物でないと難しいことが上げられます

 

(3)  について、

初期投資額が大きいことに加え、電気料金の削減効果のみでは投資回収に長期間を要することが上げられます。

 

(4)  について、

現時点での導入計画といたしましては、先ほどの県のグリーンニューディール制度を活用し、平成27年度に新築いたします平田消防署庁舎に導入予定でございます。その他の施設につきましては、地球温暖化対策だけではなく、災害時の非常用電源としても期待できることも踏まえて、総合的に導入の可能性を検討したいと考えております。

 

(コメント)

市の施設への太陽光発電システムを導入について、現状、その効果、今後の計画、課題について市の考えを質しました。現在9施設で導入され、来年度は新築予定の平田消防署へ導入予定であることが明らかになりました。ただ、今後も太陽光発電を推進していく意向はあるが、国や県の補助金額を除いても多額の設置費用がかかること、電気料金の削減効果はそんなに大きくないことから、積極的になれない意向もうかがえました。市の財政難を考慮すればやむを得ないと思われますが、例えば1年に1件のペースでも良いので、推進して欲しいと思います。

 

(質問項目2) アルコール健康障がい対策について

(この質問をした理由)

私は、島根県断酒新生会の招きに応じ、10月19日に斐川文化会館でも行われた一日の特別研修会に市の担当課長および県、市の保健師さんとともに出席しました。

また、例会も県下でほぼ毎日のように複数会場で行われており、斐川文化会館での例会にも出席しました。

そこでは、アルコール依存症から脱し切れず、自殺まで考えたという本人さんの深い苦悩や、「まさに地獄絵だ」と訴えられた家族の方々の切実な思いを聞くことができました。

「アルコール健康障がい対策基本法」が、今年の6月1日に施行され、今後、国、地方公共団体が総合的な対策を実施することとなりました。アルコール依存症で苦悩しておられる本人や家族の方々の期待は大きいものがあります。

私は、アルコール健康障がい対策に関し、市の今までの取り組みや断酒新生会に対する支援、法律の施行に伴う今後の市の方針を聞くため、質問をしました。

 

質問

出雲市におけるアルコール依存症と推定される人たちは何人か。また、入院患者の数は何人か。

 

佐藤 茂健康福祉部長 答弁

 

本市におけるアルコール依存症と推定される方の人数及びその入院患者数については、現在把握していません。

出雲保健所に照会したところ、平成20年(2008)の10月1日におけるアルコール使用による精神及び行動障害の県全体の入院患者の方は92名、外来患者の方は38名でございます。

また、出雲保健所の酒害相談件数は年々増加傾向にありまして、潜在的に多くのアルコール依存症の方がおられると聞いております。

 

質問

市の健康福祉部として、問題飲酒者に今日までどのように対応されてこられた。

 

佐藤 茂健康福祉部長 答弁

 

本市におけますアルコール依存症の方や、その家族に対しての対応につきましては、保健所、医療機関、断酒新生会などと連携して、個別の相談支援を行っているところでございます。

また、健康づくり活動の中で、適正な飲酒や未成年者への飲酒の防止などの取り組みを行っているところでございます。

 

質問

島根県断酒新生会への加入者数および「後戻りのための黄金の架け橋」を架ける重要な役割を果たしておられる断酒新生会への市の支援を伺う。

 

佐藤 茂健康福祉部長 答弁

 

島根県断酒新生会は、昭和43年(1968)に結成されまして、酒害から回復し、自助更生することを目的に、会員、家族、関係者で構成され、酒害で困っておられる方に対し、行政・医療と一緒になって相談と援助を行っている相互援助団体でございます。本市の加入者数は、本年10月末現在で70名でございます。

なお、県内全体の会員数は170名であるというふうに聞いております。

本市といたしましては、断酒新生会主催の研修会の参加や、市民への断酒会の活動紹介、周知を行っているところでございます。

 

質問

法律の制定を受け、今後の計画と市の具体的施策について伺う。

 

佐藤 茂健康福祉部長 答弁

 

本年6月1日から施行されましたアルコール健康障害対策基本法は、アルコール健康障がい対策を総合的かつ計画的に推進して、その発生、進行及び再発の防止を図り、あわせてアルコール健康障がいを有する方に対する支援の充実を図ることと定められているところでございます。

国のアルコール健康障害対策推進基本計画の策定は、平成27年度(2015)に予定されております。国の計画を踏まえて県のアルコール健康障害対策推進計画が策定されますが、市といたしましては、保健所をはじめ関係機関と連携し、今後具体的な取り組みを検討していきたいと考えております。

 

質問

平成28年(2016)の6月までに県のアルコール健康障害対策推進計画が策定されることになっているが、この計画への市の意見の反映について伺う。

 

佐藤 茂健康福祉部長 答弁

 

近年の相談件数について、出雲保健所に照会したら、平成24年(2012)で42件、平成25年(2013)で84件、今年の11月末現在でも86件で、年々増加傾向にあります。市では、アルコール障がいに限っての相談件数はほとんどありませんが、生活保護相談、あるいは障がい者相談において、対面したり同行したりしております。当面はこの対応を充実し、今後も引き続ききめ細やかな対応をしていきたいと思っております。今後の総合計画が策定される中で、これまでのいろいろな対応の経験を踏まえた意見を県のほうに申しあげたいと考えています。

 

(質問項目3) 自治会未加入者への防災ハザードマップ等の配布について

(この質問をした理由)

災害はいつ起こるか分からない中で、災害ハザードマップ及び原子力防災ガイドブックは、自治会への加入(全市民の約7割)、未加入を問わず、全市民に配布されるべきであると考えております。

農村地域といわれる斐川地域においても、新興住宅地が次々とでき、自治会未加入者が累増しており、この件について、自治会未加入者が、世帯の半数に及ぶ地域のPTA役員の方や、コミセンのセンター長と話をしてきました。地域の絆によって、自分や家族の生命や安全を守ることが大切であり、地域で自発的に配布する方法を考えるべきであるとの意見や自治会に様々な文書の配布を依頼してきている現状から未加入者を特別に扱うのはいかがなものかとの意見があります。

洪水などの大災害あるいは原子力災害の際には、自治会の加入者及び未加入者を問わず、安全かつ整然と指定された場所へ避難することが肝要であります。自治会未加入者が多いという実態を勘案し、この問題について市当局の考えを質問しました。

 

質問

自治会未加入者に対し、防災ハザードマップ(H24年度作成)および原子力防災ガイドブック(H25年度作成)は、現在どのように配布されているか。

 

坂本 隆防災安全管理監 答弁

 

自治会未加入世帯への配布につきましては、本庁及び各支所のほか、それぞれ各地区のコミュニティセンターに拠点配置する方法で行っており、市の広報紙とか、防災行政無線、あるいはホームページ、最近はフェイスブック等も活用して、お近くのコミュニティセンター等で入手ができるということを繰り返しお知らせをしています。

また、各地区の自治協会、あるいはコミュニティセンターにおかれては、自治会への加入を呼びかけていただく際、あるいはコミュニティセンター等の施設を利用される際に、PRにご協力をいただいております。

 

質問

人命にかかわる情報であり、全市民に行き渡ることが必要である。全市的に同一の対処方法、例えば、コミセン単位で地域の団体やボランティアの力をお借りし、自治会未加入者へ届けるなどの方法を考えてもよいと思うが、これについて伺う。

 

坂本 隆防災安全管理監 答弁

 

本市では、現在の行政文書の配布方法、すなわち、自治会の加入世帯につきましては自治協会等を通じての配布、未加入の方につきましては拠点配置という現在の方法を基本としながらも、ハザードマップ等につきましては、全戸への配布についても検討すべき重要な課題であると認識しております。

特に、市民の生命、財産に関する重要なものの配布につきましては、コミセン等を通じ、各種団体のご協力による配布方法を、庁舎内の関係部局や各種関係団体の皆様方のご意見も伺いながら、検討してまいりたいと考えております。

 

再質問

現在の具体的な検討内容は。

 

坂本 隆防災安全管理監 答弁

 

現在全国的で実施されている具体的な方策を調べておりますけれども、更に基本的な市の配布方法(=自治会や町内会を通した配布)との調整を検討し、何らかの方法を出していきたいと考えております。

 

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(コメント)

自治会への加入促進条例について、現在市議会の自民協議会で検討しており、3月議会には議員提案の条例案を提案することにしております。この条例に基づき自治会への加入者が増えることを期待しておりますが、未加入者は依然として存在すると思われますので、地域住民の自発的な行動による効果的な配布方法が確立されることを期待しております。

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